お久しぶりでございます。
いやはや、ついに台湾での初個展が開催されます。これが海外での初個展となります。
緊張もありますが、楽しみですね。形としては2022年の集大成的な展示になると思います。作品数は25点を準備していて、なんと全て新作を制作しました。
タイトルは"Tracing the night."日本語訳すると「あの夜をなぞって」という意味です。
テーマとしては、台湾を舞台にした架空の映画を作り、その物語中の主人公2人の揺れ動く感情やネオンライトに照らされる情景をイメージして制作しています。
書ききることは難しいすが、詳しい映画のあらすじの中には国際情勢や人種問題への気づきや視点が散りばめられており、僕が作り出しているポートレート(=Them)のほんとうの意味がそこには配置されています。
個人と世界、一つの国と諸外国、自分と他人。普段何気なく過ごしている世界では見逃してしまっている景色がそこにはあります。
たとえば、世界に存在する「差別」という事象についてどれほどの認識を持てているでしょうか。同じように見ている景色でも当事者によってその見え方(=認知)は全く異なります。それを同じテーブルに押し並べて、等しく解釈することは難しくとても大変なことですが、その行為のきっかけを人々に渡すことができるのもアートの側面であると私は思います。
一見するとフラットなビジュアルが、国際情勢や人種差別への警鐘を見出すとき、アートはその意味を自在に拡張します。それが美術史にリンクした時、初めて私はアーティストと名乗る事ができるのかも知れませんね。
さて、来年もがんばります。
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