新年のご挨拶が遅くなりました。 本年もどうぞよろしくお願い致します。
さて、2022年最初の個展は帝国ホテルプラザにあります現代アートのコマーシャルギャラリー、「MEDEL Gallery SHU」さんにて行います。
今回、何気に現代アートのギャラリーで行う個展は初めてですので、とても嬉しく思っています。内容は僕が10代の頃より取り組んできた"映画"です。そもそも、ぼくは映画関連の仕事に就くことを目指して、地元福井県から立教大学映像身体学科に進学しました。
そこでは、舞台制作から身体表現、映画といったとりわけ総合芸術を学んでいたこともあり、それが僕自身のキャリアのバックグラウンドになっています。そして、昨年度よりその多角的な視点を、一つの平面作品の肖像画に凝縮させる手法に積極的に取り組んできました。それが、昨今の僕のポートレートのシリーズです。これらの作品は、肖像画においてアイコンと言っても過言ではない、”目”や口”といった人物を特定しうる部位を描くことなく構成され、それが鑑賞者に対して既視感と違和感を同時に引き起こさせる装置としても機能していると思っています。
一方で、徹底した「色彩」「構図」「線」の織りなす類まれなバランス感覚で作品はその危うげなラインを綱渡りできているとも感じています。
今回の展示では、いくつかの映画のワンシーンをモチーフにしてみました。 好きな映画もあれば、理由はわからないけど残っている映画もあります。 写真であれば、再撮影に近い行為かなーとも思っています。
いずれにせよ、人の撮影した写真を再構成したり、パブリックドメインの絵画を再構築して画を作ったり、今回も誰かが作った映画のシーンをモチーフにしたりと、僕のやることはいつも既にこの世にある、”既存の創作物の更新"によって成立しています。これは、スタイルであり、僕の生き方だと思うんです。どちからというと、それをどれだけうまく伝えて作品でコミュニケーションを取れるか。それに人生をかけていますね。
まだまだ、ウイルスが厳しい状況続きますが、人の多い場所ではないので、感染対策に気をつけて観に来て頂ければこれ幸いです。
2022 1月吉日 三澤亮介
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